2012年12月23日日曜日

♪NO.11♪ 久野塾 第6回目(2012年最終回)

 
= グローバルリーダーを担う =


  12月8日(土)9:30~18:00で、第6回久野塾を開催致しました。会場は、英治出版ラボを第2回からお借りしています。天井、壁、床の全面を白一色で統一し、一部の壁のすべてがホワイトボードと本棚(英治出版の本がずらりと並んでいます)という「白熱教室」は、久野塾に最高の環境を提供してくれます。


 前回と今回、塾生とオブザーバーには、拙著、「世界基準ー8つの動き」(共著ぜんにち出版9月発売)と「独立成功のカギ」(共著、ミラクルマインド出版、11月発売)をプレゼントしました。前者は、ビジネスコーチ社主催の「本物のリーダーになるための8つの動き」セミナー(10,11,12月に5回開催)でテキストとして使用しました。後者はAmazonの「企業経営一般部門」で6位(12月23日現在)。11月25日の発売以降、1か月間、10位以内のランキングをキープしています。


 今回は、2期生候補のオブザーバーが多く参加してくれましたので、恐怖の「他己紹介」をいきなり実施しました(笑)。前回は「自己紹介」+フィードフォワード。今回は、2分という限られた時間でのヒアリング、2分間での他己紹介の後、塾生やアドバイザー全員から、フィードフォワード(手厳しいながらも前向きなアドバイス笑)の洗礼を受けることに・・・しかし、塾生ばかりでは不公平なので、塾長とアドバイザーも他己紹介を実践しました。ロールモデルとして緊張感がみなぎりました!笑

 塾では、年間6回のテーマを決めています。今回のテーマは、「ファイナンスとコンプライアンスの視点」。それぞれのテーマで、塾生には事前に課題が出されています(鈴井アドバイザー作成)。塾生全員が発表し、その内容について、まずは塾生とオブザーバーが質問+フィードフォワードをします。次に、アドバイザー(この日は4名)が、かなり厳しめの質問を投げかけ(久野塾のルールとして、「破壊的コメント」は事前に断ってからのみ許されています)、発表者の気づきを促し、思考の枠を広げるのをサポートします。アドバイザー全員が、現役の企業の社長、役員&経験者であり、プロフェッショナルコーチの資格保有者であるが故、塾生は少人数制の環境の中で「贅沢な」機会を得ることができています。

(課題)

1)    ファイナンスについて(課題:予算の作成)

これまでの久野塾で、「ビジネス」における「ビジョン」、「人脈」、「マーケティング」、「営業」等を考えてきましたが、その「ビジネス」を実践するとなれば、適正利益の創出と社会貢献というものが求められます。さらに、そのビジネスの準備・立上、継続のためにはお金が必要になります。そのお金の金額は、「予算」と呼ばれ、とりわけ、その準備・立上には多額の予算が必要になるケースがあります。

 
 各人が現在就労する会社の中でチャレンジしてみたい新たなビジネスの展開、または、起業してチャレンジしてみたいビジネスを成功させるためには、その準備・立上にはどれくらいのお金が必要なのでしょうか。今回は、その予算を別紙のテンプレートにしたがって考え、20分程度で久野塾の塾生の皆さんに説明し、その予算の承認を得てください。

事業内容そのものも大事ですが、今回のポイントは予算の精度です。様々な角度から必要な項目を考え、その金額を見積もってみてください。

 
              
 

2)     コンプライアンスについて(課題:企業不祥事への考察)

 昨今、大小様々な企業不祥事が発覚しています。証券会社における増資インサイダー、オリンパスの巨額損失の飛ばし、大王製紙の元会長の巨額借入、焼肉酒屋えびすでの集団食中毒、AIJの年金不正運用等々です。ここ1~2年に間に発覚したこうした不祥事の中から、皆さんが興味のあるものを一つ選んでいただき、それに対する個々人の意見を10分程度で発表してください。


 特別講義は、鈴井アドバイザーが90分間担当しました。ビジネスでグローバルリーダーになるためには、ファイナンスの考え方とグローバルに通用するコンプライアンスの常識は必須科目と言えます。グローバルで通用するビジネスリーダーは、自分のやりたいことを「数字」で表現できます。数字で上司、出資者を説得できます。日本人の平均値として、「数字」での説得より、「想い」での説明、説得になりがちです。良し悪しの問題ではありませんが、グローバル競争では、「数字」で表現できないと勝てないと思っています。また、コンプライアンスについては、日本はあまりにも無防備です。クローバルスタンダードは日本では「そこまで不要」と考えられがちですが、もはやボーダーレスと多様性の社会に突入しているわけで、「日本は別」はあまりにもお粗末ではないでしょうか。塾生には、ファイナンスとコンプライアンスは、決して経理財務や法務部門の専門家のエリアではなく、グローバルビジネスリーダーになるための必要最低限のベースであることを学んでもらいました。

 
 最後のお楽しみとして、夕方に、スペシャルゲストとして、河合薫さんにミニ講演をしていただきました。ANAのCAー>気象予報士資格取得ー>ニュースステーションのお天気お姉さんー>東大医学部博士号取得の多彩なキャリアを経て、現在は、健康社会学者として、東大講師・日経BPコラムニスト・TVコメンテーターとして大活躍されています。女性としてのキャリア形成のロールモデルを塾生に語っていただき、特に女性の塾生・オブザーバーには、良い刺激となったことと思います。河合さん、有難うございました!


 ラップアップとして、塾生、オブザーバー、アドバイザー一人一人が、今日の感想、想い、気づき、コミットメントを「一言」ホワイトボードに書き記しました。各自、一日を通じて学んだことは異なりますが、書き記すことで、それが明確に頭に刻み込まれます。私が書き記した一言は、「個を磨く」です。これは、久野塾のミッションです。個人の理論、実践、対人関係力というリーダーシップスキルを磨き上げることで、日本の「リーダーシップの総量」(「採用基準」伊賀泰代氏著)が増えていきます。これが、日本が世界に勝て、経済成長を続け、現在の幸福を堅持できる唯一の途であると信じています。塾生には、そのリーダーの一人として大きな期待をしています。



2013年は、2月16日(土)に第1回目がスタートします。1期生からの継続6名、2期生10名の合計16名です。今回参加したオブザーバーの方々(2期生申し込み)からの感想文です。皆さん、素敵な感想を有難う!


(A.T. 女性 35歳)

12月8日、知人から紹介された久野塾にオブザーバーとして参加させていただきました。正直、ビジネス交流会のような内容かと思っており、過去の経験からあまり気が乗らないまま会場へ赴きました。最初に、隣に座っていた方と2分間のヒアリング後、他己紹介を行いました。人前で話すことに過信していた私は完全に叩きのめされました。今までに経験したことのない極度の緊張に陥り、さらに動悸まで走る始末。実力不足を痛感しました。経営者という立場で丸4年突っ走ってきた私は、謙虚な気持ちや学ぶ姿勢を失っていたのかもしれません。自身の“傲り”に気づくことができ、ここで向上心の高い塾生のみなさんと一緒に個を磨いていこうという気持ちになりました。久野塾長のみならず、数名のアドバイザーからも適切なアドバイスをいただき、具体的なトピックに基づくビジネスの勉強をして、さらに、スペシャルゲストのお話に感銘を受け、最初に描いていた気持ちはすべてどこかに飛んでいき、参加してよかったという満足感だけが残りました。来年はこの久野塾で学び、経営者としてグレードアップしていきたいと思います。
 

(C.K. 女性 32)

今回、オブザーバーとして参加させて頂きましたが、オブザーバーとはいえ塾生と隔てなく、冒頭から他己紹介によるプレゼンテーションと、それに対して参加者全員から厳しくも温かいご指摘・アドバイスを頂くという洗礼を受けました。発表者も聴講者も全員参加で発言を求められる緊張感の中、集中力はもちろんのこと、機転をきかせる力、短時間で自分の意見をまとめる思考力、決められた時間内に必要なことを端的に伝える論理力と表現力が問われていると感じました。また、こうしたスキルは一朝一夕で身に付くものではなく、心がけと実践が必要だと痛感しました。ゲストの河合薫さんのご講演は、キャリア形成に悩んでいる私にとっては共感できる部分ばかりで、大変刺激になりました。2期生として、志の高い塾生の方々と切磋琢磨していきたいと思います。

 

(Y.N. 男性 33)

久野塾第5回にオブザーバーとして出席させて頂きました。事前に「5分間の自己紹介をして下さい」との案内を頂いておりましたので準備して望んだのですが・・・当日始まったのは、ナント「他己紹介」!!これには驚きでしたが、ビジネスではこのような事はよくある事で、そこでビジネスマンの真価が問われます。この趣向は、久野塾長一流のイタズラ心とより実戦に即した久野塾ならではの企画であると感じました。ビジネスシーンを想定した実戦的なファイナンスの講義やスペシャルゲスト河合薫さんの常に挑戦し続ける姿勢、健康生成論のお話など、全て惹きつけられるものがあり、自分の今後のビジネスキャリアを考える上での一つの指針となりました。全体を通じて、全員が意見を発表できる場が多く、当事者意識を持って参加する事ができる会は貴重だと思います。楽しみながら常に集中していた為か、一日という長いはずの時間がアッという間でした。参加者全員が非常に意欲が高く、この仲間と共に来期の2期生として参加させて頂き、久野塾の「個を磨く」というコンセプトの下、より自身を磨いていこうと思います。

 

(Y.Y. 男性 35)

今回、オブザーバーとして初めて参加させて頂きました。8年程前に現在に会社に転職し、役職にもなり徐々に責任を任せてもらえる環境が現在ではありますが、仕事内容に関しては刺激的であっても人間関係の刺激には多少の不満(疑問)を感じていた時に久野様に久野塾の事を紹介され、参加させて頂いた次第です。どのような事が起こるのかを楽しみに参加させて頂きましたが、事前に頂いていたスケジュール内容からは想定できない、活発な意見交換と参加者及び講師の方々からのアドバイスには正直驚きました。お互いのアドバイスを常に自分の物として吸収すべきという空気の中、塾生、講師の皆が常に秒単位で成長する事を意識していると感じ取れる時間でした。普段会社では受けない気持ちの良い刺激を頂き、2013年から始まる第二回久野塾への申し込みを即断しました。今度はオブザーバーではなく、塾生としての参加になりますので、更に楽しみです。
 
毎回、終了後に楽しい懇親会