2013年12月15日日曜日

NO20 エグゼクティブコーチは戦友


エグゼクティブコーチは戦友

― 共に“見えない敵”と如何に戦うか ―

 

先般、あるクライアントの10か月に亘るエグゼクテイブコーチングが終了した。外資系企業の社長(以降Aさん)である。私と同年齢、元IT出身ということで共通の知り合いもいたり、また、私が外資系の社長経験者であったことで、コーチングを導入検討する際の面談(クライアントの方がコーチを選定するプロセス)でも、お互いの相性が上手くかみ合った形でスタートできたコーチングだった。

私が、全てのクライアントにコーチングの最終セッションでお聞きする質問が


「貴方にとってエグゼクテイブコーチとはどんな存在でしたか?」

 
である。クライアントに依って様々なのだが、先日のAさんの応えは特に「ジーン」とくるものがあった。彼は単刀直入にこう答えた。

 
「エグゼクテイブコーチは私にとっては戦友です」

 
それは、全く私の予想外のものでサプライズだった。それを受けての私の次の質問は、

 
「どういう意味で”戦友“と思われたのです?」

 
Aさん曰く、

 
「この10か月間、様々な難題に直面し、部下との人間関係も含めて、試行錯誤してきました。コーチングによって、いろいろな戦略実行の選択肢が増え、且つ、精神的にも支えられた場面が多かったです。社長という立場柄、誰もビジネスの相談をできる人がいませんからね・・・。」

 
更に続く。

 
「ビジネスは様々なシーンで戦いの連続です。リスクがいつ実現してしまうかも予測ができません。私の知らないところで、食材偽装の様に、コンプライアンス問題が起きているかもしれない、それが私に伝わってきていないかもしれない、などと考えると熟睡なんかできませんよ。まさに戦場ですよね。現場で一緒に戦ってくれるわけではありませんが、コーチングのセッションの時間だけでなく、緊密なやり取りや、会食などを通して、一緒に課題を共有して解決できたという意味で、“戦友”をいう単語がぴったりなんですよ!」。

 
クライアントの先にあるコーチからは“見えない”現場でクライアントが戦っている状況を理解することは、コーチ、特にエグゼクテイブコーチにとって難題の一つである。スポーツのコーチであれば、アスリートの演技やチームの戦いぶりが目の前で“見える”ので具体的に敵に勝つための具体的な指示が可能だ。しかしながら、コーチングでは、コーチは“コーチには見えない敵”とクライアントがどう戦っているのかを深く知る必要がある。

 
この“見えない敵”はクライアント・システムと呼ばれるもので、コーチングのクライアントを取り巻く様々な環境要因(部下、同僚、上司、顧客、トラブル、家族、プレッシャー、制度、文化など)のことであり、クライアントに襲い掛かる課題、難題の殆ど全ては、このクライアント・システムの中で発生する。従って、クライアント・システムを正確に理解することでコーチは初めてクライアントの現状を知ることができ、コーチングで効果的なセッションを実現できるというわけだ。

 
では、クライアント・システムを正確に理解する方法は何か?まずはクライアントのステイクホルダー(上司、部下等の関係者)からコーチングのスタート前にヒアリングと行うことである。所謂、「360度フィードバック」である。


ヒアリングでは、複数(通常5名)のステイクホルダーからクライアントの人間関係やクライアントの強み・改善点・期待することのみならず、クライアントがどんなクライアント・システムの中で何と“戦っているか”を質問で聞き出す必要がある。即ち、“戦場の様子とクライアントの状況”の把握だ。コーチには理論家の様に考え、リサーチャーの様に観察する「状況を聞き出す」力が求められるのである。

 
クライアントにヒアリング結果をフィードバックするという“第三者の視点でのクライアントの戦場での状況”に関するインプットは、クライアントが大きな地雷を踏むことなくチャレンジし続けるための大きな情報源や気づきとなる。その情報と気づきに基づいて、クライアントは行動変革のテーマと具体的な変革項目を決め行動変革を実践する様になるが、コーチは“見えないクライアント・システム”の中で行動変革を実践するクライアントに的確なコーチングをしなければならない。

 
ではどうやってコーチは行動変革の実践のモニター(実践しているかどうか)と組織への影響(実践が周囲に影響をどの程度与えているか)を把握することができるのであろうか。

 
クライアント本人への的確な質問は有効だ。有効な質問とは、本質に迫る質問であり、見失いがちな本質に気づかせる効果がある。実践度を加速させるには、本人の気づきと主体的な行動が必要だ。だが、その行動が“見えない敵”にどのように影響を与えているかはクライアント本人もコーチも知る術はない。

 
知り得るのは、ステイクホルダーからのフィードバックが唯一の方法である。フィードバックを中間地点でもらい、影響度をモニターし、後半の行動変革をギアチェンジする。“見えない敵”に勝つために、戦況を的確に分析し、戦略を練り直し、より効果の高い戦術で、最終的には勝利を収めることを目指すことと同じだ。

 
「戦友」とは、“敵”に対して共に戦い、勝利を共に味わう仲間である。コーチングの世界においては、コーチが、クライアント・システムの中で、コーチからは“見えない敵”にクライアントを勝利させるための極めて高度な「トコダチ作戦」である。両者の間に深い信頼関係がなければ実現しないことであり、その信頼関係は、クライアントがコーチの「引き出す力」で気づいたことを現場で小さな実験(実践)を試行錯誤し、その結果の小さな勝利の積み重ねから生まれるものであると確信できる。

 
エグゼクティブコーチングとは、こんな人間臭い人生劇場だからこそ、クライアントの行動変革が組織の成果に結びついた達成感に浸り、「戦友」としての勝利の美酒を酌みかわす楽しさも、また一層格別なのである。

 

以上

 

2013年10月26日土曜日

NO19 「リーダーシップ・マスター」出版記念セミナー参加者からの感想文

先日の「リーダーシップ・マスター」セミナーに参加された方から、読書感想文が届きました!Chapter11は著名なジェームズ・クーゼスの章です。私も気に入っている章の一つです。

 (感想文)
 
私は「Chapter 11 リーダーシップはリレーションシップ」の章にとても共感した。
この章ではリーダーに必要な要素として以前の3点を述べている。
1. 明確な基準を設ける
2. ベストを期待する
3. 模範を示す




この3点を集約したエピソードとして「父親の登山に同行し、
4時間の間寄り添って耳元で応援しつづけた娘の行動」こそが...
リーダーシップであるというエピソードは非常に明確で印象的に残った。
つまり「相手(部下)を信用して、ストレッチ目標を示しながら、
忍耐強く応援すること。そして、自分は模範的な精神・行動で常に
前向きな姿勢を示すこと」であると解釈した。ただし、その前提として
次の2点がとても大切である。

・適切な目標を決める力
・ほめ上手であること

適切な目標を定めるには、自分達の目指す方向性をしっかり見定めることが大切だ。
以前「人は分単位で時間を大切にして、年単位で時間を無駄にしている」と
言った人がいた。目的地が異なると、折角努力をしても思ったとおりの業績に
結びつかなくなってしまう。3年~5年先の目的地を適切に見さだめて、
その目的地にたどり着くように目標を定める必要がある。
また目標を定めるにあたっては「2. ベストを期待する」でも述べているとおり
ストレッチをかけた目標を定めて、達成できるように支援していくことが大切だ。

ほめ上手であることは、部下に対して感心をもち、良いところをほめた上で
足りないところにアドバイスをすることが大切だと考えている。
トレーナーは人を伸ばすために8割を褒めて、足りない部分について2割程度で
アドバイスをする。このようにほめながら人を育てることが大切だ
ただし、やはり自分が模範を示しことは大切だ。人を育てたいのであれば、
すくなくとも自分も何らかの領域に対して自分自身を高めるための努力をしている
ことを示し必要があると考える。そうでなければ、部下は私の言葉にやらされ感を
感じて、素直には努力できないのではないかと考える。

以上。

2013年9月15日日曜日

♪NO18♪ リーダーシップ・マスターVol.3 ◆女性の起業を支援する◆ハイブリッド・コーチング

 私が6回に亘ってコーチングをさせていただいた女性のMさん。Mさんは都心に通うキャリア・ウーマン、バリバリの営業でした。でも、お会いしてお話を伺っていると、周囲の目を気にしてしまい大きな一歩を踏み出せないで悩み続けている普通の女性でもありました。

 10年前から起業して、自分の夢を実現したいと思いつつも、目の前の忙しさと上司・同僚に迷惑をかけてしまうという罪悪感に悩まされ、決断を先延ばしにしてきたそうです。

 偶然が重なり、私がMさんからコーチングやってほしいと依頼を受け、お互い二人三脚で取り組んできました。独立起業か継続して会社員として働くかの選択肢はMさんが持っていました。先日、Mさんのコーチングが終了、4回目のコーチングでMさんの独立起業の意思が固まり、5回目、6回目のセッションで、それを具体的な計画に落とし込んでいくコーチングとなりました。

 そして、先月末で退職、会社設立準備をし、12月から株式会社としてスタートすることになりました。まさに、優秀な女性に見られる「ガラスの天井」を自らの意思と行動で壊して、自分のミッション・ビジョンを実現する選択をしたMさんは、これからの女性のリーダーのロール・モデルと言えます。

 Mさんが最終セッションで私に語ってくれたことが、脳裏に焼き付いています。

「社交派の私には、仕事・プライベートの応援者はたくさんいました。皆さん、頑張ってね、何かあったら相談にのるから、と応援メッセージもいただきました。とてもありがたかったです。しかし、その応援は、私寄りのもので、第三者視点のものではありませんでした。これからの人生・仕事を、客観的に、どのように選択するのかという決断には至りませんでした。」

「しかし、コーチはビジネスとライフの両方の観点から第三者視点で多くのパワー・クエスチョンを投げかけてくれました。私は、客観的に人生を見つめなおす機会を得ました。自分が本来持っていたけど気づかなかったものを質問とヒントで”あぶりだして”もらいました。そして、行動に移す際に、行動の正当性(自分の進むべき方向性は間違っていないという確証)を認識でき、それまで行動に躊躇していた私が大きく一歩を踏み出せました。しかも、4か月という短期間で!!」

 以下、コーチング終了後に送っていただいた、Mさんからのアンケート回答です(公開の許可をいただいています)。人の人生の成功を支援できるコーチングという仕事の素晴らしさをあらためて感じました。同時に、コーチとして、毎日の省察と努力も続けていかなければという再認識も得ました。Mさん、有難うございます!そして、必ず、起業は成功します!

 
 
 今回のコーチングはビジネスコーチングとライフコーチングのハイブリッド型と言えます。やはり、ワークとライフのバランスが大事です。
 
 
質問1
コーチングによって、貴方はどのようなことに気づき、行動変革し、それが貴方の人生・キャリアに影響を与えていますか?


・退職して、起業することができた。
 
どうして、退職して起業したいのか?退職して、起業する怖さの克服のしかたとは?起業するということは、どういうことなのか?起業する私の目的、ミッションは、何か?等々を具体的に考えることができたため、退職せずに現状維持でいた時の将来と、起業した将来とをあらゆる面(金銭、精神、健康、等々)で比較検討することができた。これらは、労働時間が長い私にとっては、一人でこの期間で決意することは、到底できなかったと思います。
また、退職するにしても①心の整理がしっかりとできて退職したため、後悔や、未練は、全くなかったこと、②最後まで、会社に貢献して辞めようとしている、私の気持ちを上司、部下の会社全員が認めていてくれている中で、退職できたことが、清々しく、部下を残して退職してしまう申し訳ない気持ちが少し軽減できたことは、コーチングなくしてはできなかったことと思います。

・自分の考え方の「くせ」に気づくことができた。

コーチからの「まず、自分を幸せにすることを考える」というアドバイスによって、「くせ」が認識できたため、思い切った決断ができたと思うと同時に、これからも、周りの幸せも考えながらも、その前に自分の幸せを考えるくせをつけていくことによって、心からの楽しさを味わっていけるような人生にしたいと思います。
 

質問2
担当コーチに対する評価を自由に記載してください。要望や改善点もあれば具体的にお願いします。

否定をしないで、導いていくことは、とても難しいし、まどろっこしいこと(特に私はコーチにとって大変だったと思います)だと思いますが、私のペースに合わせて指導していただいたおかげで、納得のいく決断(私にとって人生最大の決断)ができたことを、心から感謝しています。また、コーチが絶対的な私の味方であることを信じさせてくださったことが、コーチングの成果(私にとっての成果)につながっていったと思います。

 
質問3
コーチングを他人(上司、部下、知り合い)に勧めたいと思いますか?また、そのように思われているは何故ですか? 

自分の望みをかなえて、幸せになりたい(現在の状況より良くなりたい)ということが、多くの人の願いだと思いますが、それをかなえるためには、準備が必要で、その準備をするための近道がコーチングを受けることだと感じたためです。現状の自分自身でかなえられる望みでしたら待っていればいいことですが、そうでなかった場合は、自分を変えることが近道なのでは…?と思うようになりました。

また、コーチとの信頼関係がとても重要だと思いますので、コーチングを勧めるとともに、コーチの選出についてもアドバイスしたいと思っています。(私の場合は、幸運にも信頼しているコーチに最初からめぐりあえましたが…)

 
 
以上

2013年8月30日金曜日

♪NO.16♪ 久野塾第10回(2013年第4回)参加者の感想満載!



<テーマ>
“マーケティングの実践”
 

<課題>

前回学んだことを活かしながら、貴方が久野塾のマーケティング担当マネジャーに任命されたと仮定して、以下の2点を発表してください。ユニークな発表は実際に採用したいと思います。
1.2014年、久野塾を「進化・ブレイク」させるための戦略は何か?
2.その戦略を推進させるための具体的なアクションプラン(実行計画)何か?



ゲスト・スピーカーの本名さんを中心に18~60代が集合!

8/3(土)、久野塾の「第4回グローバルリーダー養成講座」にオブザーバーとして参加
させていただきました。オブザーバー参加とは言え、どのように進行していくのか分から
ないので、緊張しながら参加していたのですが、基本的には「プレゼンと質疑応答」だけ
で進行していくスタイルに驚かされました。今までもセミナーや研修を数多く受けてきま
したが、こういったスタイルはお目にかかったことがなかったので。
今回、緊張しながらも塾生がプレゼンし、厳しい質問に回答している姿を見て、自分が
同じ立場に立ったことを想像すると、どれだけ緊張するだろう、どれだけ頭をフル回転
させることになるだろう、などと考えながらみなさんのプレゼンを聴いていました。
こういう環境に自分の身を投じれば、さらなるスキルアップが実現できるのではないか
と思いますし、久野塾はそういう場なのだと思います。

会社員30代 10月から入塾 N.Hさん

 
大学1年の黒澤君、素晴らしいプレゼンです

 

学生3人のプレゼン・リレー、社会人もタジタジ

 
 こんにちは。
昨日は、大変貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。
いろいろな刺激を受け、たくさんの事を学ばせていただきました。
最後まで参加出来なかった事が非常に残念です。
途中で抜けることになってしまい、申し訳ございませんでした。
また機会があれば、是非参加したいです。
本当にありがとうございました。
 
上智大学国際教養学部1年 A.Kさん
 
学生と社会人の男の和が広がっていく・・・


夜分遅くに失礼致します。

本日はお忙しい中、私たち一人一人に久野塾に参加するチャンスを下さり、大変光栄に思っております。
今まで、私はひとつのビジネスを他方向から様々な視点で見た事がなく、今回のセミナーを通して意見交換の重要性やプレゼンテーションの構成方法、いかにしてオーディエンスに伝えたい重要な意見を把握してもらえるか等、沢山の事を学ぶ事が出来ました。
私は、本日のセミナーを通して、ここから学んだ事をより一層吸収していき、いかにそれをビジネス界において活かす事が出来るかが重要であると思っております。
これからまた、久野様やそちらの塾生の方から色々な話を聞かせて頂く事を楽しみにしております。
本日は誠にお疲れ様で御座いました。また、是非よろしくお願いします。
上智大学国際教養学部1年 S.Eさん
娘の様なソフィア・レディ二人に囲まれて
 
こんばんは。
夜遅くメールをしてすみません。
今日は久野塾のセミナーに参加させていただいて本当にありがとうございました。
内容が濃い一日で社会人である他の塾生の方々やアドバイザーなどのご意見やコメントなどをお聞きしすごく刺激を受けました。このことを今後私もどのように成長していくべきなのかをさらに深く考えていく一つの機会になったと思います。
またセミナーに参加できる機会がありましたら是非参加したいと思っています。
今日は良い勉強になる機会をつくっていただき本当にありがとうございました。
上智大学国際教養学部1年 M.Fさん
 
皆の真剣なダイアログ(対話)が塾のエッセンス

遅くにすいません。
今日は一日お疲れ様でした!
久野塾では沢山の刺激を頂き、勉強になりました。
貴重な体験をありがとうございました。次回も是非参加出来たらなと思っております。
本当に今日はありがとうございました!
上智大学国際教養学部1年 R.Nさん
 
本名さんの話は爆笑の連続、でも為になりました!忘己利他

本日も久野塾お疲れ様でした。
塾の途中で抜けてしまい申し訳ございませんでした。次回から集合時間などをインターンの仲間で気をつけたいと思います。
本日の久野塾に参加して、とてもいい経験、刺激をいただきました!プレゼンテーションのパフォーマンス方法や、企業でどの様なコンセプトや考え方、または対策など 色々な事を学びました!本日学んだ事を、今参加しているインターンや、学業、将来のお仕事などに活かしたいと思います。
本日もお疲れ様でした。これからもインターンのお仕事を学業と両立させながら一生懸命頑張りたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
本日は本当にありがとうございました。
 
上智大学国際教養学部1年 E.Nさん
 
 
世代・ジェンダーを超えたお酒の交流が化学反応を生む
30代の男性塾生の話題は???
 
次回、10月5日(土)は今日時点で34名の塾生・アドバイザー・オブザーバーが参加申し込みをされています。来年は、アドバイザーによるサブゼミを開講。塾生とアドバイザーによる本の出版企画もあり、ますますイノベーションする久野塾を進化させるのは塾生とアドバイザーです。(塾長)

 
 
 

 
 
 
 

 

2013年8月26日月曜日

♪NO.15♪ リーダーシップ・マスター Vol.1 ◆クライアント・システム◆CHAPTER6関連

Coaching for Leadership 3rd Editionの日本語監訳である「リーダーシップ・マスター」(英治出版、7月発売)は、「コーチの神様」と呼ばれるマーシャル・ゴールドスミス博士を始めとする世界最高峰のコーチ陣38人によるリーダーになるための「31の教え」が書かれています。コーチングのエッセンスを31章のポイントに触れながら解説していきます。
 
CHAPTER6関連
◆組織の力学、クライアント・システムとは?◆


昨日のビジネスコーチスクール(BCS)での30分セッションでエグゼクティブ・コーチングについての事前ヒアリング(stakeholderから)に関連してお話した。エグゼクティブ・・コーチングとビジネス・コーチンとの大きな違いの一つがクライアント・システムだ。

クライアントを取り巻くシステムとして、部下、同僚、上司、顧客、株主、役員会、ノルマ、トラブル等々があり、それは、幹部になればなるほど複雑化しデリケートである。コーチングの対象者であるエグゼクテイブが、このシステムの中で成果を上げることを求められていることをコーチは十分理解しなければならない。

コーチングの相手はクライアントとそれを取り巻くすべてのシステムなのだと・・・。残念ながら、コーチはクライアントの現場でクライアントとシステムの関係を見ることはできない(スポーツのコーチであれば、プレーヤーのプレイをライブやビデオで見ることは可能なのだが)。従って、クライアントに対して「質問」を投げかけることで、クライアントがシステムの中でどう役割を演じているか、何が課題か、どう行動しようとしているか等々を知り得る。

つまり、的確な「質問」こそが、唯一、クライアントとクライアント・システムを知り得る方法と考えられる。エグゼクティブは予測できない複雑な組織の力学の中で成果を求められる。クライアント・システムをクライアントが整理し、上手くシステムの中で演じ切るサポートをするのがエグゼクテイブ・コーチの重要な仕事だと思う(文責 久野)。

2013年6月11日火曜日

♪NO.14♪ 久野塾第9回(2013年第3回)

6月8日(土)に開催しました。テーマはマーケティング。以下の課題に塾生たちは果敢にチャレンジしました!お疲れ様でした。アドバイザーの皆さん、温かくも厳しいフィードフォワードを有難うございました。また、オブザーバー参加の皆さんも盛り上げていただき、有難うございました。次回は8月3日(土)です。



4.課題

1.   貴方が考える「マーケティング」とは何か?(自分なりの定義、考え方)

2.   1のマーケティングを貴方の仕事でどう使っているか?(具体的実例を1つ)


因みに、私のマーケティングは以下の方程式です。

感動 x サイエンス = 成功するビジネス

*感動: 価値提案によって感動、歓喜をインスパイヤーすること
*サイエンス: 継続させる仕組み、法則、プラットフォーム

「x」の部分は、「実践」を意味します。価値提案を仕組みに組み込むためには小さな実験を継続して行い、PDCAを高速で回し、変化に対応、先取りします。


特別講演は、QVCジャパンの佐々木社長(ゼミの先輩です)!QVCが10年間で売上1000億円企業に急成長したビジネスモデルと「通販ビジネスのイノベーション」から全員が大きなヒントを得ました。

マルチプラットフォーム、Interactive双方向、交流、一体感、ワクワク感が未来の成功のカギ
 

 
キーワードは:
Egnage  Entertain  Enrich


手作りの新潟燕市の魔法のフライパン、QVCの提供する価値
 
ハードな塾の後は楽しい飲み会
 
 
 

 





2013年5月7日火曜日

♪NO.13♪ 久野塾第8回(2013年第2回)



集合写真、ゲストスピーカー藤原さんを囲んで

塾生一人一人の課題発表。個を鍛える時間

まずは塾生からのアドバイス、そしてアドバイザーからの厳しくもあたたかいコメントのシャワー

パワーポイントを使わず、ホワイトボードで発表するのは塾流

ランチは近くのコンビニで調達し全員でテーブルを囲んで和やかに談笑

前プレジデント社社長、藤原昭弘さんの熱狂的スピーチと爆笑の数々

再び、集合写真。3人の女性塾生が華やか!

恵比寿での懇親会。塾生とアドバイザーの語りのひと時

藤原さんはここでも熱弁(笑)

2013年2月23日土曜日

♪NO.12♪ 久野塾第7回目(2013年第1回目)

= ビジネス人脈を考える =



本年初回の久野塾(通算第7回目)を2月16日に開催しました。 昨年同様、初回のテーマは「ビジネス人脈」です。久野塾では、各自がテーマに沿った発表を行い、その発表について、塾生同志による対話形式で議論が発展します。アドバイザーは的確な質問と温かいアドバイスで塾生をサポートします。今回のテーマはある種難解で、「ビジネス人脈」をどう理解し説明するかを悩んだ塾生も多く、テーマの宿題に悪戦苦闘した様でした。

そもそも、「人脈」とは何なのでしょうか?SNSの世界で人と人とがいとも簡単に繋がっていく社会で、人脈を作ることは一見簡単な様に思われますが、本当にそうでしょうか?

(今回の課題テーマ)
1.ビジネス人脈を絵に描き「ビジネス人脈とは何か」を説明してください。
2.ビジネス人脈の見極め方を説明してください。

 

まず、塾生各自が自分の現在の人脈を絵に描いていきます。人脈を「見える化」することで、自分の人脈の特徴が見えてきます。現在、最もビジネスに影響のある知人と知り合うに至ったルーツを探ってみると面白いです。私の場合、現在のビジネスパートナーであるビジネスコーチ社の細川社長について描いてみると、私の最初の人との出会いから何と8年経過して細川さんに繋がっていることがわかりました。しかも、私と細川さんの間に8人の方が襷(たすき)を繋いでくれています。

今では、その8人の方々全員と人脈が繋がっているわけではありませんが、ある特定の期間に深い出会いがあり、その結果、次の人を紹介していただき、その連鎖が細川さんに達したことになります。ですから、目の前の出会いを大切にしていくことで人脈が広がっていきますし、その襷を繋いでくれた方々にも感謝しなければなりません。

人間関係の連鎖と一つ一つの連鎖が繋がりあうことで、初めて「脈」となって「新しい価値」が生まれます。連鎖を繋ぐとは、自分の知り合いのAさんとBさんを繋げることです。つまり仲人役ですね。AさんとBさんが知り合うことで何かがAさんとBさんの間に起きることがあります。新しいビジネスとか、問題解決とか・・。それをプロデユースできることは、世の中に「付加価値」をつけることであって、ある種、人間の存在意義にまで発展するかもしれません。

小さな襷の繋ぎはあるタイミングで大きな出会いをクリエイトします。それがいつ、どのようなタイミングで起きるかはまさに神のみぞ知る神秘な世界かも知れません。特別ゲストにお迎えした原田英治さん(英治出版社長)曰く、「自分のビジョンを発信することが大事。それを自分の人脈の誰かが聞いて、それを実現するように動いてくれる。」

人脈は無理やり作ろうと思ってもできるものではありませんが、自分の意識の中にビジョンを描けていないと人との出会いはなく、仮に出会いがあってもそれが人脈に発展することはありません。自分のビジョンを実現していくために、自分が大事にしたい、必要だと思う人脈を自然体に無理なく作って維持して行くための「こつ」について、4月の塾で語り合いたいと思っています。

(4月の課題テーマ)
1. 貴方のビジョン(目標)を説明してください。
2. 貴方は2012年にどのようなビジネス人脈を新たに創りましたか?
3. そのビジョン実現に向けて必要なビジネス人脈を描いてください。
4. 2の人脈の中で3の人脈に該当する人は誰ですか?
5. 今後、どんな方法で3の人脈を増やしていこうと思っていますか(具体的に)?




補足:2013年塾生・アドバーザーの紹介ページです。
http://www.mcginc.jp/hisano_juku/trainees/trainees.html
http://www.mcginc.jp/hisano_juku/advisors/advisors.html